Bambu Lab A1 miniをHome Assistantへつなぐときは、最初から制御を目指さない。印刷状態を読むこととプリンターを動かすことでは、必要な設定も失うものも違う。まず読み取りを完成させ、それで足りないと分かったときだけDeveloper Modeへ進む。
本稿は2026年9月4日にBambu Lab公式情報とha-bambulabの現行ドキュメントを確認した手順で、ロボ図鑑ではA1 mini実機との往復確認を終えていない。画面名や作成されるエンティティは、ファームウェアと統合の版で変わる可能性がある。
先に決める: 読むだけか、制御もするか
状態を見る(クラウド維持)
- 接続: Bambuアカウント。必要に応じてローカルIPも登録
- Bambu Cloud: 維持できる
- 用途: 進捗、残り時間、温度、エラーの確認
状態を見る(LAN内だけ)
- 接続: Lan Mode Configuration
- Bambu Cloud: 使えなくなる
- 用途: クラウドを使わない状態確認
ha-bambulabから操作する
- 接続: LAN Mode + Developer Lan Mode
- Bambu Cloud: 使えなくなる
- 用途: 一時停止、再開、停止、温度変更など
A1系のファームウェア01.05.00.00以降では、ha-bambulabの読み取り機能は継続する一方、Bambu Cloudへ接続したまま使える書き込み機能は大きく制限される。ha-bambulabで制御を戻すにはLAN ModeとDeveloper Lan Modeが必要で、その代わりBambu Handyやクラウド経由の遠隔監視を失う。Bambu Lab公式Wikiも、LAN Modeでは外部ネットワークからの印刷開始、Bambu Handy、Print Historyが使えないと案内している。
Bambu LabはDeveloper ModeをA1 mini向けに公式に用意している。ただし、開放されるMQTT、ライブ映像、FTPの通信プロトコルは公式サポート外で、LANの安全管理は利用者の責任になる。
1. HACSからha-bambulabを入れる
ha-bambulabはHome Assistant本体の標準統合ではなく、HACSで配布されるコミュニティ統合である。先にHACSを導入し、次の順で進める。
- HACSで
ha-bambulabまたはBambu Labを検索してダウンロードする。ha-bambulabはHACSの既定リポジトリに登録されている。 - Home Assistantを再起動する。
設定 → デバイスとサービス → 統合を追加でBambu Labを選ぶ。- ウィザードに従ってA1 miniを追加する。
クラウド接続から始める場合、Bambuアカウントの認証情報を使うと印刷履歴由来の一部センサーも利用できる。Googleなどのソーシャルログインだけで作ったアカウントは、Bambu HandyのAccount Security → Change Passwordでパスワードを設定してから統合へ入力する。2要素認証では、認証アプリのコードが統合側で拒否される場合にメールまたは電話へ確認コードが送られる、とha-bambulabは案内している。
資格情報をチャット、YAML、Gitリポジトリへ貼らない。Home Assistantの設定フローだけへ入力する。
2. 読み取りだけを先に確定する
追加できたら、最低限次を確認する。
- Online
- Print StatusとCurrent Stage
- Print Progress、Current Layer、Remaining Time
- NozzleとBedの現在温度、目標温度
- HMS ErrorsまたはPrint Error
- MQTT connection mode
A1 miniのカメラをHome Assistantで表示するには、統合設定へプリンターのローカルIPアドレスも渡す。読み取りの完了条件は、Home Assistantの画面に値があることではなく、A1 mini本体で印刷を開始・一時停止・終了したときに状態が追随すること。古い値が残っているだけの状態を接続成功に数えない。
最初のAI利用はこの読み取り面で足りる。たとえば「印刷が終わったか」「エラーが出たか」をHome Assistantのセンサーで判断し、通知文だけをAIに整形させる。プリンターへ命令を返さない構成なら、クラウド利便性を残したまま始められる。
3. 制御が必要な場合だけDeveloper Modeへ進む
Home Assistantから一時停止や温度変更を行う必要がある場合は、先に失うものを確認する。LAN Modeへ切り替えるとBambu Cloud、Bambu Handy、クラウド経由の遠隔監視は使えなくなる。外出先から見る必要があるなら、Home Assistant自体へ安全に接続するVPNなどを別に用意する。MQTTやFTPのポートをインターネットへ直接公開しない。
A1 mini本体のネットワーク設定でLAN ModeとDeveloper Lan Modeを有効にし、次の3点を控える。
- シリアル番号:
3DP-...で始まる表示名ではなく、英数字16文字の実シリアル - ローカルIPアドレス: ルーター側でDHCP予約して固定する
- Access Code: プリンター設定に表示されるコード
ha-bambulabの設定でLan Mode Configurationを選び、この3点を入力する。Developer ModeではMQTT、ライブ映像、FTPがLANへ開くため、A1 miniとHome Assistantは信頼できる同一LAN、または分離したIoT用LANへ置く。統合のDisable SSL verificationは安全でない詳細設定なので、証明書エラーの理由を理解せず有効にしない。
4. 制御はライトから1つずつ確かめる
Developer Modeへ切り替えた後も、印刷開始や任意G-codeを最初の試験にしない。試験中はすぐ本体の停止操作ができる距離にいて、高温部と可動部には触れない。
- MQTT connection modeがLocalになり、読み取りセンサーが更新を続けることを確認する。
- 印刷していない状態で、ライトのON/OFFを1回試す。
- テスト用の小さな印刷を人が見ている状態で開始し、一時停止と再開を1回ずつ試す。
- Home Assistantの結果だけでなく、A1 mini本体が実際に止まり、再開したことを見る。
ha-bambulabにはbambu_lab.send_commandがあり、任意G-codeを送れる。しかし公式ドキュメントは、このアクションが印刷中かどうかを検査しないと警告している。AIへこの汎用アクションをそのまま渡さない。bambu_lab.move_axisやbambu_lab.print_project_fileも物理動作を起こすため、最初のAI接続面から外す。
5. AIへ渡すのは読取と固定操作だけ
Home AssistantのAssistやMCPへ公開するなら、最初は状態センサーだけにする。制御が必要になったら、実機で確認した操作を引数なしのスクリプトに包む。
read_a1_mini_status()
返す:
online
print_status
progress
remaining_time
errors
pause_a1_mini_test_print()
前提: 人がテスト印刷を監視中
対象: 固定したA1 mini
動作: 一時停止を1回だけ送る
再試行: 自動では行わない
完了: 本体の状態変化を別に確認する
任意のG-code、温度、軸、ファイル名をLLMに自由入力させない。タイムアウト時も自動再送しない。応答が失われただけなら、同じ命令を重ねることになる。
完了判定
- HACSからha-bambulabを導入し、A1 miniを追加した
- 本体操作に合わせて進捗、残り時間、温度、エラーが更新された
- 読み取りだけで目的を満たせるか判断した
- 制御へ進む場合は、Bambu CloudとHandyを失う条件を理解した
- LAN Mode + Developer Lan ModeでLocal接続を確認した
- ライト、一時停止、再開を1回ずつ実機で確認した
- AIには読取センサーと固定した操作だけを公開した
- 任意G-code、軸移動、印刷開始を汎用ツールとして公開していない
ロボ図鑑ではこの手順をまだ実機確認していない。読み取り・ライト・一時停止・再開の往復確認が揃うまで、A1 miniの標本を実測済みとは扱わない。