この機械は何か
Nature Remo 3 は日本の Nature 社が作る赤外線スマートリモコン。エアコン・テレビ・照明など赤外線リモコンで動く既存家電を Wi-Fi 経由で操作できるハブで、温度・湿度・照度・人感の4センサーを内蔵する。公式価格は9,980円(税込)。発売は2020年と古参だが公式 Cloud API が現役でメンテされ続けており、「AIから手持ちの家電を動かす」入門機として今も定番。廉価版の nano は Local API 非対応・センサーは温度のみ、後継の Remo Lapis も API は共通。Remo 3 自体は Matter 非対応(公式ストア明記)。
接続の口
口は3系統ある。
- Cloud API(公式) —
https://api.nature.globalへの REST。認証は OAuth2 で、個人利用は home.nature.global で発行したアクセストークンを Bearer ヘッダで送るだけ。家電の抽象操作(エアコン設定・テレビ・照明・学習済み任意信号)とセンサー値取得が両方できる。レート制限は 30リクエスト/5分/アカウント(429 と X-Rate-Limit-* ヘッダで通知)。 - Local API(公式) — Remo 本体が同一LAN内に HTTP サーバーを持ち、mDNS(
_remo._tcp)で発見して/messagesに GET(直前に受信した赤外線の読み取り)/POST(生の赤外線送信)できる。クラウド不要・低遅延だが、口は生シグナルのみで「冷房26度」のような抽象操作は無い。 - MCP(コミュニティ) — noboru-i/nature-remo-mcp-server が npx 一発で動く。ただしツールはデバイス一覧・家電一覧・エアコン・テレビ操作の4つだけでセンサー取得や照明が無く、スター1桁の小規模実装。現状は Cloud API 直叩きか自作ラッパーが現実的。
AIから動かすまでの道のり
ひと手間は「家電の事前登録」と「トークン発行」の2つだけ。
- スマホアプリで Remo をセットアップし、エアコン等を登録する(国内家電のプリセットが豊富。無いリモコンはボタンを向けて学習させる)
- home.nature.global にログインしてアクセストークンを発行
- あとは curl が通る:
# デバイス一覧+最新センサー値(te=温度, hu=湿度, il=照度, mo=人感)
curl -s -H "Authorization: Bearer $TOKEN" https://api.nature.global/1/devices
# 家電一覧(appliance id を控える)
curl -s -H "Authorization: Bearer $TOKEN" https://api.nature.global/1/appliances
# エアコンを冷房26度に
curl -s -X POST -H "Authorization: Bearer $TOKEN" \
-d "operation_mode=cool&temperature=26" \
https://api.nature.global/1/appliances/{appliance_id}/aircon_settings
# 学習させた任意ボタンを発火
curl -s -X POST -H "Authorization: Bearer $TOKEN" \
https://api.nature.global/1/signals/{signal_id}/send
Claude Code などのエージェントなら、この4本を Bash ツールで叩かせるだけで動く。MCP にしたければ npx -y noboru-i/nature-remo-mcp-server(env に ACCESS_TOKEN)で前述のコミュニティ実装を登録するか、上の API を包む数十行の MCP サーバーを自作する。ローカル完結にしたい場合は curl -H "X-Requested-With: curl" http://<RemoのIP>/messages で実リモコンの信号を採取し、同じ JSON を POST すれば再生できる。
できること・できないこと
できる: 赤外線家電の操作全般。温湿度・照度・人感の取得 — 「室温が28度を超えたら冷房を入れる」というセンサー→制御のフィードバックループが1台で組める。Local API による学習リモコン化(生シグナル採取→再生)。
できない・注意: 赤外線は一方通行なので家電側の実状態は取れない(リモコンで手動操作されると API 上の状態とズレる)。人感は「最後に動きを検知した時刻」だけで在/不在の真偽値は無い。レート制限 30req/5分 が常時ポーリングには厳しく、監視間隔は数十秒〜数分で設計する。クラウド経由の操作遅延は体感1〜2秒(未計測・Local API なら回避可)。
組み合わせのヒント
- センサーとアクチュエータが1台で完結するのが最大の強み。エージェントの定期タスクで /1/devices を読み、閾値超過で aircon_settings を叩くのが最小の自律構成。
- 本格運用は Home Assistant 経由が堅い。コミュニティ統合が複数系統(2026年も更新あり)存在し、HA に集約すれば他デバイスと同じ口で扱える。
- 競合の SwitchBot ハブ2 は Matter 対応と物理デバイス群との連携が強み。日本家電のプリセット充実と API の素直さでは Remo が優位。
- レーティングの考え方は /rating を参照。