ロボ図鑑

Ryze Tello / Tello EDU

DJI技術の80gトイドローン。UDPテキストコマンドの公式SDKで飛行制御と状態取得が丸ごと開いており、LLMから飛ばす入門機の定番。ただし本体は終売で入手は中古頼み。

SPEC PLATE — 図鑑No.008
名称
Ryze Tello / Tello EDU
メーカー
Ryze Tech
分類
ドローン
AI接続性
AI-4
接続の口
ローカルAPI: Tello SDK(UDPテキストコマンド)SDK: SDK 3.0(Tello EDU / RoboMaster TT)SDK: djitellopy(Python)MCP(コミュニティ): robot-mcp-server
自律度
2 / 3 — 状態取得+フィードバック
ハック難度
不要(公式の口だけで届く)
実売価格帯
新品は終売(価格.com掲載店0・Yahoo!ショッピング出品0を実測確認)。中古・残存在庫で概ね1.2万〜2万円(参考: 発売時 Tello 約1.3万円/EDU 約1.9万円)

判定根拠: 公式SDK(UDPテキストコマンド)で制御と状態取得(10Hz状態パケット+H.264映像)が両方可能。MCPはコミュニティの実験実装(robot-mcp-server等・12 stars)のみで実用水準に達しておらずAI-4。状態+映像を使ったLLM制御のFBループ実例(Tello-LLM-ROS等)があり自律度2。バッテリー13分のため常時自律運用は非現実的。最大の弱点はレーティング外の入手性(新品終売)。

この機械は何か

Ryze Tello は DJI のフライトコントローラ技術と Intel プロセッサを積んだ重量80gのトイドローンである。720pカメラ、下向きビジョンセンサーによる安定した屋内ホバリング、飛行時間約13分。玩具の皮をかぶっているが本質は「公式SDKが完全公開された飛行ロボット」で、Wi-Fi経由のUDPテキストコマンドだけで離陸から着陸まで全部制御できる。上位版の Tello EDU は SDK 2.0/3.0 に対応し、ミッションパッドによる屋内絶対座標飛行と複数機編隊(swarm)まで開いている。

ただし2026年8月時点で新品の入手はほぼ不可能である。DJIは2024年1月に教育製品事業(Tello・RoboMaster)の縮小を発表し、以後グローバルに在庫が枯れた。国内でも価格.com掲載店ゼロ・Yahoo!ショッピング出品ゼロを確認済みで、入手経路は中古市場(メルカリ・ヤフオク等)が中心になる。それでも本ページで扱う価値があるのは、「AIから物理デバイスを動かす」学習曲線として今なおこれ以上素直な機体が少ないからだ。

接続の口

Tello自身がWi-Fi APになり、PCから直接接続する。プロトコルは素朴そのものである。

SDKは3世代ある。無印Telloは1.3止まり。EDUは2.0でミッションパッド飛行と ap コマンドによるstationモード(既存Wi-Fiに子機参加=複数機を1ネットワークで同時制御)が加わり、3.0(正式にはRoboMaster TT向けガイドだがEDUもファーム更新で大半が使える)で motoron/motoroff・投げて離陸する throwfly・映像のfps/ビットレート/解像度設定が加わった。

Pythonからは djitellopy(MIT・1.5k stars)がデファクト。最終リリースは2.5.0(2023年6月)で開発は止まり気味だが、機体側の仕様が二度と変わらないため「枯れて完成した」と読むのが正しい。

AIから動かすまでの道のり

  1. Telloの電源を入れ、PCをTelloのWi-Fi(TELLO-XXXXXX)に接続する
  2. pip install djitellopy
  3. 動作確認は数行で済む:
from djitellopy import Tello
t = Tello()
t.connect()
print(t.get_battery())
t.takeoff()
t.move_forward(50)
t.rotate_clockwise(90)
t.land()
  1. LLM接続は関数呼び出しで包むだけである。takeoff/land/move/rotate/get_state をツール定義としてClaudeやGPTに渡せば、「バッテリーを確認して、50cm前進して一周見回して戻ってきて」が飛行コマンド列に変換される。既製品ではローカルLLM(Ollama)+ROSの Tello-LLM-ROS、MCPならコミュニティ実装の robot-mcp-server(djitellopyラップ・Unitree四足と統合)がある。いずれも実験段階なので、実務では自前のツール定義20行の方が早い。

ハマりどころは2つ。制御PCのWi-FiがTelloに占有されるため、LLM APIを同時に叩くにはEDUのstationモードか2枚目のNIC/USBテザリングが要る。また15秒コマンドが途絶えると自動着陸するウォッチドッグがあり、LLMの思考が長いと勝手に降りる。keepalive(rc 0 0 0 0 等)を別スレッドで送るのが定石だ。

できること・できないこと

できる: 全飛行操作(座標指定 go・曲線 curve 含む)、10Hzの状態取得と映像ストリームを使った閉ループ制御、EDUなら最大数機のswarmとミッションパッドによる屋内測位。カメラ映像をマルチモーダルLLMに渡して「見えたものに応じて次の行動を決める」構成が80gの機体で組める。

できない: GPSがなく風に弱いため屋外実用は厳しい(実質屋内専用機)。ペイロード搭載不可。飛行13分。そして新品購入ができない。

法規制(日本): 航空法の「無人航空機」は本体+バッテリー重量100g以上と定義され(航空法施行規則第5条の2・国交省解釈通達で確認)、80gのTelloは該当しない。つまり機体登録・リモートID・飛行許可承認が一切不要である。ただし100g未満でも空港周辺や地表150m以上の空域には航空法の別規制(第134条の3系)が及び、国の重要施設周辺は重量無関係に小型無人機等飛行禁止法の対象。屋外では公園条例等のドローン禁止規定にも当たる。自宅・オフィスの屋内で飛ばす限り、これらは実質問題にならない — AIドローン入門に最適とされる理由の半分はこの規制フリーにある。

代替機: 後継とされる DJI Neo にはTello的な公開SDKがなく、プログラム制御の口は現状ない(コミュニティフォーラムでも同結論)。「今買えるプログラマブル小型機」なら Bitcraze Crazyflie 2.1 Brushless(32g・Python API・オープンソース・現行販売中)が正統な選択肢になる。

組み合わせのヒント

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情報の出どころ

最終更新: 2026-08-09

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